VOL.6 何歳からはじめる?食事のマナーと風習と。 管理栄養士 亀山茜先生
お正月から大晦日まで、1年を通して日本ではたくさんの行事がありますね。
私たち日本人は、行事ごとに特別な料理を用意して、お祝いをしたり、健康や幸福を祈ったりします。
2月の日本の行事といえば「節分」。
鬼のお面や豆まきなどお子様にとっても楽しいイベントですね。
節分は、みんなが健康で幸せに過ごせるようにと、悪いものを追い出して福を呼び込む日。
「鬼はそと、福はうち」と災いをおはらいし、幸せをよびこみましょう。
目次
福がいっぱい!
大豆の栄養パワー
節分で巻く豆は大豆を炒ったもので「福豆」ともいいます。(※地域によっては落花生をまくところもあります。)
昔から、大豆は悪いものを追いはらう不思議な力をもっていると言われてきました。
また、大豆は栄養豊富! 体に健康という福を呼び込むパワーがたくさんつまっています!
たんぱく質 | 「畑の肉」と呼ばれるほど、お子様の成長に欠かせないたんぱく質が豊富です。 |
ビタミンB1 | 炭水化物をエネルギーに変えるお手伝いをしてくれます。 |
鉄 | 血液の材料となり、貧血を予防してくれます。 |
カルシウム | 骨や歯を丈夫にしてくれます。 |
食物繊維 | お通じをよくしておなかのお掃除をしてくれます。 |
納豆、豆腐、油揚げ、豆乳、おから、きな粉、みそなどなど、大豆にはたくさんの加工食品があるので、飽きずに食べることができますよね!
何歳から始める?
食事のあいさつ
特別な行事の風習を学ぶことももちろん大切ですが、毎日使う風習も小さいころからしっかり身につけてほしいですよね。
食べる前の「いただきます」と食べた後の「ごちそうさま」のあいさつは、じつは離乳食を始めたばかりの赤ちゃんからできるしつけの一つです。
食事のマナーや食べ方は、繰り返し教え、続けていくことで身についていきます。
まだ赤ちゃんだから早いということはありません。
何度も何度も経験を積み重ねていくことが大切です。
命の大切さや食事のありがたさを学ぶために、食事のあいさつは赤ちゃんの時期から取り入れられるといいですね。
いただきます!を
お子様に覚えてもらうには?
食事のあいさつを覚えてもらうポイントは、パパやママ、おじいちゃんおばあちゃん、家族みんなが「いただきます」と「ごちそうさまでした」のあいさつをする姿を見せてあげることです。
家族がにこにことしてあいさつをする姿を繰り返し見せることで、お子様は真似をしながら覚えていきます。
なぜ「いただきます」を
するの?と聞かれたら
食べ物の命をいただく「ありがとう」の気持ちと、ごはんを食べられるようにしてくれた、パパママはもちろん、お店の人やこれを運び届けてくれる人、農家や漁師などこの「食事」がテーブルに並ぶまでの間に関わった全ての人への「ありがとう」の気持ちが込められたステキな挨拶です。
いろんな人や自然への関心や感謝の気持ちを「いただきます」の挨拶から育むきっかけにしましょう。
《由来》いただくはもともと、「ものを頭にのせる」という意味。目上の人にものをもらった時、頭の上に高くかかげて敬意をはらったことから、ものを「もらう」場合や食べたり飲んだりすることを「いただく」と言うようになりました。
なぜ「ごちそうさま」を
するの?と聞かれたら
食事を用意してくれた人への「ありがとう」の気持ちが込められていることを教えてあげましょう。
《由来》「ちそう」はもともと「馬で走り回る」という意味。食材を走り回って集めたことから、美味しい料理でもてなすことをさすようになったそうです。その後、ていねいな意味の「ご」と「さま」をつけて、食べた人が言うようになりました。
全ての食材、全ての人に感謝の気持ちをたくさん込めて「いただきます」「ごちそうさま」をしましょう!